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授業風景

2024.05.07

臨床検査学科 メーカー様ご協力のもと最新ミクロトームを用いた薄切にチャレンジ!

2024.05.07

今回は、新3年生(実習時は2年生でした! )が2月に取り組んだ、病理組織細胞学実習の様子を紹介します。

 

医療機器メーカー様2社にご協力いただき、

実際の医療現場でも用いられている、最新のミクロトームと呼ばれる機器2種を扱い、実習を行いました!

 

ミクロトームとは、臓器などの組織片を薄くスライスする薄切機器です。

その薄切切片を染色したもの(病理組織標本)を用いて、異常細胞が認められるかどうかなど、その部位の組織の状態を顕微鏡で観察します。

主に病院の病理検査室などで用いられており、臨床検査技師が扱うことの多い機器のひとつです。

 

1つ目は滑走式ミクロトームによる実習です!

 

メーカーのご担当者様に1人1人丁寧に機器の使用方法をご説明いただき、全員が薄切に挑戦しました。

臓器などの検体を、そのままではなくパラフィン(石ろう)を用いて固めてから薄切します。

こうすることで検体の形状変化を抑えることができるそうです。

実践中の学生がマスクを外しているのは、検体に息を吹きかけ加湿をするためです。

ローラーを回転させてごく僅かにせり上がった検体へ、刃をスライドさせて薄切します。

 

薄切された切片を、先端を濡らした紙にくっつけて釣り上げますが、数μm (マイクロメートル)と本当にごく薄いので慎重に行わないと丸まったり、千切れたりしてしまいます。

もちろん一度でうまくいかないこともありますが、繰り返し挑戦し、最終的には全員が成功させることができました!

 

薄切した組織はこのように水に浮かべて平らに広げた後、スライドガラスに乗せ、熱を加えて伸展・乾燥させて標本にし、染色へと進みます。

 

もう1つ行われていたのが、「クリオスタット」という種類のミクロトームを用いた薄切です。

クリオスタットの特徴は、凍結させた組織を薄切するというところです!

 

例えばがんの手術などでは、

悪性腫瘍を完全に取りきれたかを調べるために、取り除いた組織の断端を調べて、切除範囲の妥当性を決定します。

この場合、患者さんのお腹を開いている状態での検査になるため、スピーディーに病理組織標本を作製し、検査を行うことがとても大切です。

そんなときにも用いられるのが、素早い標本作製に適した凍結組織切片作製装置クリオスタットです。

 

こちらがクリオスタット庫内の様子。庫内は非常に低温に保たれています。

庫内で組織片を凍結させ、円柱状にした標本(写真中央の白い円)を薄切します。

メーカーのご担当者様や教員から機器についての解説や手順の説明、サポートを受けながら、学生たちは熱心に実践していました。

 

薄切した組織はスライドガラスに貼り付けます。

やはり極薄のため、慎重に取り扱わねばならず緊張する作業ですが、最新機器のため切片の採取など扱いやすく、スムーズに薄切を行うことができていました!

 

技術の進化によって、臨床検査に関する作業をより正確に、かつ安全に行うことができるようになっていることを知ることのできる機会でした。

 

授業内では病理標本の観察も行いました。

 

画面にピンク色の標本を拡大した様子が映っていますが、今回のように採取した組織を染色することで観察しやすくなり、病理組織標本になるわけですね。

臨床検査学科の実習には、この染色の手技手法を学ぶものもあります。

 

東京電子の臨床検査学科ではこのように、医療機器メーカー様にご協力いただき、実際の医療現場で扱われている最新の機器に触れ、技術を培う機会を設けています。

1人1人がしっかりとスキルを身に付けることのできる環境で、臨床検査技師を目指してみてはいかがでしょうか!


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教職員一同、皆さんと一緒に学べる日を楽しみにしています。

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